10月のまとめ

10月に行った展覧会まとめ

 

太宰治文学サロン 山内祥史文庫ができるまで~研究の情熱と本への愛情をいしずえに~
東京ステーションギャラリー もうひとつの江戸絵画 大津絵
GOOD DESIGN Marunouchi 危機の中の都市 COVID-19と東京2050(β)
ポーラミュージアムアネックス ポーラミュージアムアネックス展2020–真正と発気–
銀座メゾンエルメスフォーラム 「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展
ガーディアン・ガーデン 田中義樹展「ジョナサンの目の色めっちゃ気になる」
銀座蔦屋書店 香月恵介・菊池遼・菅原玄奨「appropriate distance」
府中市美術館 日本の美術を貫く 炎の筆《線》
府中市美術館 公開制作79 三沢厚彦
ふるさと府中歴史館
府中市郷土の森博物館
武蔵野ふるさと歴史館 軍事郵便が語る日露戦争期の武蔵野
pixiv WAEN Gallery しぐれうい初個展「雨天決行」
GYRE GALLERY 名和晃平個展「Oracle
Meets by NADiff 江口綾音「Eiko
Intimissimi Art Space プシェメク・ソブツキ「WHO is Who?」
有楽町マルイ 成田美名子原画展
Artglorieux GALLERY OF TOKYO Contemporary Art Selection
銀座蔦屋書店 展覧会Exploring
ggg いきることば つむぐいのち 永井一正の絵と言葉の世界
ポーラミュージアムアネックス ポーラミュージアムアネックス展2020–透過と抵抗–

 

 

行ったエリアが3ヶ所ぐらいしか無い。いつものことではあるが。久々に展覧会に行った感想も書き、この流れを続けられるといい……のだが、東京を離れることになったのでおそらく数は激減する。電車賃も安いし、美術館やギャラリーの数という点では東京はやはり圧倒的で、そこに慣れてしまうと辛くなる。のうのうと生きた罰だろう。

感想を書きそびれたが、府中を半日ほどでうろうろし、色々見て回ったのが今月のハイライト。市民文化の日ということで、美術館・博物館入館料が無料で、展示を堪能しつつ、分倍河原の古戦場跡碑に在りし日の戦いに思いを馳せていた。府中は歴史遺産が街中に結構あるのだなと。

 

 

10月に読んだ本まとめ

 

Fafs F. Sashimi『異世界語入門~転生したけど日本語が通じなかった~』
会田誠『げいさい』
サンティアゴ・ H・アミゴレナ『内なるゲットー』
長月達平『戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka』上・下
グカ・ハン『砂漠が街に入りこんだ日』
李琴峰『星月夜』

石坂泰章『巨大アートビジネスの裏側 誰がムンク「叫び」を96億円で落札したのか』
キャサリンイングラム『僕はポロック
大西祥平小池一夫伝説』
小山登美夫『現代アートビジネス』
新人物往来社編『ムンクの世界』
高橋典幸編『中世史講義【戦乱篇】』
高橋龍太郎『現代美術コレクター』
ショーン・タン『内なる町から来た話』
三鷹市山本有三記念館『山本有三三鷹の家と郊外生活』

 

 

不安定になると読書量が増える。美術系の新書3冊でコレクター・ギャラリスト・オークショナーという異なる3つの世界から現代アートの世界を覗き見て勉強になったほか、2020年以降刊行の新し目の面白い小説に触れることが出来て幸いだった。80年代の美術業界の空気と美大受験に焦点を当てた『げいさい』は『ブルーピリオド』を手に取った人にも是非読んでほしいところ。ショアー文学というジャンルは初体験だったが、あまりにも重い体験によって沈黙に至ってしまう人物を描いた『内なるゲットー』では、改めてショアーという出来事の大きさを実感した。『砂漠が街に入りこんだ日』は、作者が母語ではない言語によって執筆したという事実もだが、揺らぐ社会で正道に在れずにいる人々がある種突き放したような文体で綴られており、内容としても面白い。在日外国人にとっての日本語の言語体験が軸にある『星月夜』は、あまり意識したことの無い人々のことを考えさせられた。

複数の図書館カードを作っては、カーリルを使って読みたい本の図書館まで足を運ぶ日々だったが、これからはその気軽さも無くなりそうなので、読書量がどうなるかよくわからない。読む本の方向性は変わるかもしれない。