8月のまとめ

8月に行った展覧会まとめ

 

GLION MUSEUM
上方浮世絵館 芝居と歴史のあいだ
髙島屋史料館 アートのチカラ2021@高島屋史料館
ジーストア大阪 幼なじみが絶対に負けないラブコメ
大阪企業家ミュージアム 大阪から日本の産業革命を切り拓いた起業家 松本重太郎展

 

 

今月は初めて訪れたGLION MUSEUMが楽しかった。大阪築港にあるクラシックカーミュージアムで、実際に乗ることはできなかったが、レンガ倉庫の中で時代を感じさせる車が並んでいる空間はタイムスリップしたかのような魅力的な場所だった。自動車に興味はそこまで無いものの、一番最初に展示されていた馬車にぐっと惹きつけられ、最後のイセッタまで、普段目にすることのない車に時代を感じていた。

月頭に4ヶ所巡り、大規模接種を済まして大阪企業家ミュージアムに行った以外は家に籠りきりだった。9月に入ると2回目のワクチン接種から2週間が経過するものの、あまり外を出歩く気分にならない。兵庫県立美術館のハリポタ展など、興味のある展覧会は越県しなければならず、悩んでしまう。

 

 

8月に読んだ本まとめ

 

岩井俊二『零の晩夏』
澤田瞳子『星落ちて、なお』
津村節子『茜色の戦記』
ドン・デリーロ『沈黙』
二月公『声優ラジオのウラオモテ』5巻
李琴峰『五つ数えれば三日月が』

DK社編『博物館のバックヤードを探検しよう! 博物館のすごい裏側大図鑑』
宇野重規『民主主義とは何か』
加藤陽介企画・編集『電線絵画 小林清親から山口晃まで』
小林快次『恐竜まみれ 発掘現場は今日も命がけ』
佐藤信編『古代史講義【氏族篇】』
田島木綿子『海獣学者、クジラを解剖する。 海の哺乳類の死体が教えてくれること』
真辺将之『猫が歩いた近現代 化け猫が家族になるまで』
毛利嘉孝バンクシー アート・テロリスト』
吉岡乾『フィールド言語学者、巣ごもる。』

アニカ・アルダムイ・デニス『お話の種をまいて プエルトリコ出身の司書プーラ・ベルプレ』

 

今月読んだ小説で印象に残ったのは『星落ちて、なお』だろうか。河鍋暁斎の娘である画家が、不羈なる親の画業と親子の念を超えた絵の繋がりの因縁に懊悩しつつ、時代の移りゆく中で自らの絵と折り合って生きていく姿を描く。河鍋暁斎すら時代の流れで古く感じられていく中で、その根底にあった狩野派の影が弟子にすら忘れ去られていくことにやりきれない思いを抱く場面が心に残る。色々な影響を受けて生きていく中で、影響あった恩を忘れたり、改竄したりなどせず、できるだけ覚えていたい。

小説以外でも魅力的な本は多かった。『博物館のバックヤードを探検しよう!』は豊富な写真を用いてあらゆる側面から博物館の仕事を紹介した本で、日本の館の話は少ないが、その分だけ海外の様々な博物館の裏側を知ることができる。『猫が歩いた近現代』は史料に残りづらい近代以降の猫の姿を、新聞や雑誌などから浮かび上がらせた本で、現代のペットを超えた家族としての猫が、いつでも一般的な認識では無かったことを教えてくれる。あとは、展覧会に行けなかった電線絵画展の図録を見ることで、ちょっとした展覧会体験ができたのも良かった。こういう形での展覧会体験は増えていきそう。