9月のまとめ

9月に行った展覧会まとめ

 

山王美術館 生誕120年荻須高徳佐伯祐三

 

 

感染広がる都市部にあまり出ないようにしていたら、訪れた展覧会は一つだけになった。まだ会期は長く残っているものの、来年1月に閉館して移転・オープンする山王美術館で久々に作品を鑑賞できたのは嬉しい。両者の作品でどちらかを選ぶなら、絵から力を感じる佐伯祐三になるが、家に飾るなど日常的な場で目にするには空気を重くしそうな感じがする。緊急事態宣言が解除されるのもあって、10月はもう少し色々な展示を見に行きたいところ。

 

 

9月に読んだ本まとめ

 

池田明季哉『オーバーライト』3巻
ハサン・ブラーシム『死体展覧会』
美奈川護ヴァンダル画廊街の奇跡』1~3巻

遠藤まめた『みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT
門倉紫麻『2.5次元トップランナーたち 松田 誠、茅野イサム、和田俊輔、佐藤流司
木下直之木下直之を全ぶ集めた』
桑島浩彰、川端由美『日本車は生き残れるか』
鳥越美奈『たまたま、図書館長。~それはドイツからはじまった』
堀尾真紀子『女性画家10の叫び』

 

 

一旦読書習慣が崩れ、そのまま戻りきらないまま時が過ぎてしまった。積読と借りたまま読まずに返す本が増えていく。今月印象に残った一冊は『死体展覧会』。イラク出身の作家が描く、イラクを取り巻く暴力の現実。宗教・政府・軍隊・テロ。時には幻想的な話を織り交ぜながら、バッドエンドというにはあまりに日常で圧倒的な不条理を描いた短編が14編収められている。イラクから離れて難民としての暮らしが始まっても悪夢から逃れることができない。移民局で過去の体験を語る『記録と現実』が個人的に印象深かった。テロリストグループをたらい回しにされ、それぞれ違った立場の過激派の人間として処刑ビデオに出演させられた男の話。最後に秘めた真実の物語として語る言葉があまりにもささやかな願いで重い。