5年ほど前、ウクライナについてそれほど知らない中、ウクライナデーin東京というイベントに行き、ボルシチなどを食べたことを思い出す。あの頃から知っていることはそれほど増えてはいないが、当時くじ引きだかで貰ったウクライナの歴史名所案内の本は今も部屋にある。手に入れてから開いたことはほとんど無かったが、今こそ手を出して読んでみようかと思い始めている。
2月に行った展覧会まとめ
阪急うめだ本店 阪急×アートコレクターズ ニュースター達の美術展 2022
心斎橋PARCO デハラユキノリ新作フィギュア展「せっしょく」
大丸心斎橋店 山田雄貴日本画展
大阪中之島美術館 Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―
今月は大阪中之島美術館の開館記念展に行けたことが何より嬉しかった。展示点数はまさかの約400点。コレクションの基盤となったコレクターの美術品群から始まり、大阪にゆかりの近現代美術作品、西洋美術も含めた錚々たる面々の近現代美術作品、そして膨大なポスターの展示に、有名家具。質と量に圧倒され、最後は心地よい疲労感の中で休み休み鑑賞していた。この一大コレクションの一部を他の展覧会で目にすることはあっても、コレクション自体の規模を考えたことは一度も無かったため、いやこんな作品まで持っているのかと、歩を進める度に驚きとおしていた。大阪の中心部で、これだけのコレクションを持つ美術館が産まれたのは本当に喜ばしい。所蔵品展が定期的に開かれると良い。
印象に残ったのはモーリス・ド・ヴラマンク《雪の村》、池田遙邨《雪の大阪》、前田藤四郎の版画作品など。アルチンボルドを持っていることにビックリした。展覧会として惜しむらくは、展示品リストが会場で配布されていなかったことか。可能なら会期が終わる前に再訪したい。
2月に読んだ本まとめ
石田夏穂『我が友、スミス』
竹町『スパイ教室短編集』2巻
二月公『声優ラジオのウラオモテ』6巻
サーシャ・フィリペンコ『赤い十字』
牧野圭祐『月とライカと吸血姫』7巻
川添愛『言語学バーリ・トゥード Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』
倉谷滋『怪獣生物学入門』
松尾秀哉『ヨーロッパ現代史』
渡辺靖『白人ナショナリズム』
渡辺靖『リバタリアニズム』
曖昧な知識以前にまともに勉強したことが無いので勉強目的で『ヨーロッパ現代史』を一通り読んだものの、一読しただけで頭に残った物はあまり多くない。後で参照するための引き出しとなる本はここ数年で増えたと思うが、頭の中から取り出して操れる知識や知見はそんなに増えていない気がしていて、そのことに焦りのような物を感じる。
今月読んだ小説では『我が友、スミス』が印象深い。筋トレ趣味の会社員の女性が、あるきっかけからボディビル大会を目指して鍛錬していく小説。目標とする大会に向けて追い込んでいく姿勢、勝つために許される手段はどこまでか、大会という縛り故に求められることなど、大会にストイックに励む界隈を外から垣間見る身として面白かった。そして、それ以上に惹かれたのは、大会など関係なく別の生き物になりたいと励み続ける姿勢で、理想の自分に向けて何かを積み続ける在り方に一定の共感を得た。怠惰な自分は継続的な鍛錬をできないし、入れ続ける意識下にあるのは空虚への恐怖心だが、それでも、外的な何かのためでは無く、ただただ積み上げ続けて別な存在へと自分を変わらせていきたい。今なおそんな願いを抱き続けている。