4月のまとめ

4月に行った展覧会のまとめ

 

大阪大谷大学博物館 改善美 -美で社会を変革する-
富士フイルムフォトサロン大阪 リタ・アレス写真展「うつくしい地下鉄」
大阪府中之島図書館 1879~1970大阪古地図100選~明治・大正・昭和の思い出ビジュアル散歩~
阪神梅田本店 成瀬ちさと「彼女と猫の時間-Home-」展
阪急うめだ本店 ロメロ・ブリット展
阪急メンズ大阪 Threrry vol.1
グランフロント大阪 GUNDAM NEXT FUTURE -FINAL- in OSAKA
梅田蔦屋書店 ショーン・タン 出版記念作品展 The Art of Shaun Tan
国立文楽劇場資料展示室 文楽の桜
大阪府立上方演芸資料館ワッハ上方 Welcome to “上方演芸”のまちOSAKA~ポスターから見る上方演芸~
長居公園花と緑と自然の情報センター Futurotextiles 7
大阪市立自然史博物館  貝に沼る —日本の貝類学研究300年史—
大阪韓国文化院 季節の断想-春
大阪韓国文化院 Timeless Heritage: 時間をつなぐ
ギャルリーためなが大阪 ベルナール・ビュッフェ 展
大阪髙島屋 たかしまや美人画博覧会 2025 -ファッションで振り返る美の系譜-
アニメイト大阪日本橋 ねんどろいど 初音ミク 100番記念展示会 in 大阪

 

 

1月に造幣博物館へ行った折に前を通り、どこにあるかをようやく知った大阪韓国文化院まで展示を見に行った。大阪・関西万博を記念して韓国現代美術の特別展が開催されるらしい。大阪韓国文化院は大阪メトロの南森町駅と天満橋駅のどちらからも大体同じぐらいの距離にあり、1階のミリネギャラリーで展示が行われている。

建物に入って右側に進み、まずは常設展示室の展示を見た。壺の脇に花のモビールが展示されていて、これは上位身分への敬意や健康の願いを込めて飾られた宮中彩花という宮中行事を現代的にアレンジした物らしい。無色で無地の花びらが付いたモビールに、花が満開の樹の枝を感じた。常設展示室を横切って奥の受付に進み、小冊子を受け取って展示会場へ。展示されている5人の作家の作品説明と作品図版が掲載されていて、こんなにしっかりした展示冊子を無料で貰えたことに驚いた。入ってすぐの正面に大きな絵画が展示され、右側の壁一面に映像作品が映されていた。まずは右側の映像作品を見る。直観や感情を土台に抽象的なイメージを描き、これを言語化して詩を作り、この描く過程の動画に詩から精製されたAIイメージが重ね塗りしていく。作家とAIの共同作業で、作家が意図ながらもそこから外れた物が産み出されていくという映像作品とのことだ。正面の絵画は白黒の水墨画で描かれた松林の木々の合間に黄色く輝く満月が大きく描かれた作品。続いて同じ作家の絵画が3点展示されていた。描かれている建物が日本で見ない物で新鮮だったのもあるが、樹々の木肌が不気味なほどに描き込まれているのが印象的だった。次は石鹸を素材に朝鮮白磁などの陶磁器を再現した彫刻作品が一角に何点も展示されていた。素材が石鹸と知って改めて目を向けると作品がよりテカテカしているような気がする。輸送の際に使われたと思しき木箱がそれぞれの作品の展示台となっていて、それも含めての作品なのだろうか。奥に進むと初めて見知った作品が現れた。リ・ウファンの《点より》も《線より》も何度か美術展で目にしたことがある。日本の美術の文脈でしか作品や作家に触れてこなかったため、韓国現代美術展という文脈の中で目にすることに新鮮さを感じてしまった。《ダイアログ》は初めて見たかもしれない。一番最後の部屋では映像作品が流されていた。韓国戦争と貧困の中で生き別れることとなった韓国の画家イ・ジュンソプと日本人妻の山本芳子の物語が、彼の遺した絵画と手紙から描かれていく。第二次大戦の戦前・戦中の悲劇ではなく、朝鮮戦争期(展示解説では韓国戦争)の日本人-韓国人の悲劇は初めて知る話で衝撃的だった。改めて展示スペースをぐるっと周って受付でアンケートに答えて建物を出た。

その後はギャルリーためなが大阪のベルナール・ビュッフェ展へ。ホテルニューオータニ大阪に入り、異様にスーツ姿の人が多くて何かあるのかと調べたら大阪関西万博のレセプションがある日だったらしい。万博といえば、万博に合わせて関西でいくつも大規模展が開催されるので行ける範囲で行きたい。奈良国立博物館の超国宝展に大阪市立美術館の日本国宝展、京都国立博物館の美のるつぼ展。これらの展覧会よりもある意味で今一番行きたいのは国立民族学博物館アラビア書道展だけど。

 

 

4月に読んだ本のまとめ

 

逢縁奇演『こちら、終末停滞委員会。』2巻
石田夏穂『ミスター・チームリーダー』
一色さゆり『モネの宝箱 あの日の睡蓮を探して』
澤田瞳子『しらゆきの果て』
武田綾乃『青い春を数えて』
伏見七尾『獄門撫子此処ニ在リ』3巻

岩田一成『やさしい日本語ってなんだろう』
大坪覚『京都のワクワクする大学博物館めぐり』
モナーズ・キッチン『舌の上の階級闘争 「イギリス」を料理する』
島田真琴『美術館・博物館の事件簿』
林健一『サラブレッドはどこへ行くのか 「引退馬」から見る日本競馬』
安田峰俊『中国ぎらいのための中国史

 

 

アート法などを専門とする弁護士が著した『美術館・博物館の事件簿』を読んだ。展覧会の開催やコレクション収集の裏で世界の美術館・博物館が巻き込まれた裁判や事件を紹介していく本で、事件の経緯、裁判、事件の評価と教訓、事件に関わった美術館や芸術家・美術作品の順で事件を見ていく16のケースと、1ページで様々な事例を紹介する15のコラムからなる。展覧会のための貸出中に作品が損壊した事例。美術館がナチスの略奪美術品の返還を求められた事例。寄贈された美術品を財政難から売却しようとした博物館が訴えれた事例。既存のイメージを利用した作品で何度も著作権侵害を訴えられているジェフ・クーンズの作品を展示したことで、クーンズの回顧展を開催したポンピドゥー・センターが著作権侵害で訴えられた事例。建物所有者がストリートアートを塗りつぶし、ストリートアートが著作権法において破壊の禁じられる著作物にあたるか争われた事例。日本からは先述の展覧会で貸出中の作品損壊事例や京大博物館の琉球遺骨問題、表現の不自由展などが取り上げられている。本国スペインでダリの著作権管理を巡ってもめている間に、日本のダリ展での展覧会図録作成が著作権侵害に当たると裁判が何度か行われ、本国の裁判の進行に合わせて状況が変わっていった事例が面白かった。