7月のまとめ

7月に行った展覧会まとめ

 

堺刃物ミュージアム    
Gallery TOBA 鳥羽美花展「雨季の余白~拡散する蒼~」
ギャルリーためなが大阪    智内兄助展
なんばマルイ 成田美名子原画展
なんばマルイ まちカドまぞく展~マンガもアニメもお祝いまぞくです~
大丸京都店 入魂の芸術 日本刀展
千總ギャラリー    千總の屏風祭―明治の屏風祭ふたたび
千總ギャラリー    伊庭靖子個展「外に内に染む」
大阪商業大学商業史博物館 秘蔵の大阪画壇展第2弾
司馬遼太郎記念館 色紙と自筆原稿でみる『司馬遼太郎が考えたこと』
atmos心斎橋店 atmos×絵師100人展 scene2
上方浮世絵館 芝居の小道具 扇
髙島屋史料館 山元春挙高島屋

 

 

同じサークルの人と祇園祭前祭に行った。街を歩き回って山鉾を見ながら、屏風祭を堪能。新しい建物が見える中でも、少し路地に入って行くと、絢爛な美術品を所蔵する古い家が残っている。展示空間として整備された箱で見る美術品ではなく、家の中に飾られる形で、かつて在ったかもしれない身近な美術風景を目にできたのが非常に印象的だった。大人の身長ほどの直径の車輪を持ち、スケールの大きさだけでも圧倒される巨大な山鉾にもびっくり。予想していたよりも数段大きかった。帰りの駅に辿り着くことすら困難な混み具合には閉口したが、歴史と文化が続いている京都の街を感じる楽しい一日だった。

来月以降に行きたい展示としては、大阪中之島美術館の岡本太郎展が行きやすさとしても一番か。兵庫県立美術館の関西の80年代展、西宮市大谷記念美術館のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展和歌山県立近代美術館のコレクション展も行きたい。今日行った髙島屋史料館でチラシを入手した、9月から京都髙島屋で開催される「刺繍絵画の世界展」も気になる。

 

 

7月に読んだ本まとめ

 

イ・ヒヨン『ペイント』
永井みみ『ミシンと金魚』
二月公『声優ラジオのウラオモテ』7巻
アネ・カトリーネ・ボーマン『余生と厭世』

木村幹『韓国愛憎』
西野嘉憲『熊を撃つ』
白水社編集部編『「その他の外国文学」の翻訳者』

 

 

今月は色々あってあまり本を読めず。子どもが親を選択できるようになった世界を描いた『ペイント』と、認知症の高齢女性の一人称で綴られる『ミシンと金魚』が心に残る。特に後者は、認知症のおばあさんの語りから老いてしまうことの生々しさを強く感じ、老いへの抵抗感から手を止めようとしたが読み切らされてしまう、そんな凄い作品だった。

6月のまとめ

6月に行った展覧会まとめ

 

西宮市大谷記念美術館 佐藤健寿展 奇界/世界
西宮市立郷土資料館 兵庫津ミュージアム開館記念巡回展「兵庫県のはじまり」
西宮市平和資料館    
白鹿記念酒造博物館酒蔵館    
白鹿記念酒造博物館記念館 桜のある日々
さかい利晶の杜    館蔵の逸品-利晶の杜の収蔵庫から-
大阪市立自然史博物館 日本の鳥の巣と卵427~小海途銀次郎 鳥の巣コレクションのすべて~
水道記念館    
阪神梅田本店 いろいろなガラスアートを楽しむ作家3人展
阪神梅田本店 ギャルズ POP UP curated byザ・フー
阪神梅田本店 わかる個展“うさぎとくま展”
阪神梅田本店 日本初個展 天之火「On-Off-On」
阪急うめだ本店    王朝の鎧と古代草木染
阪急うめだ本店    日本の染織1400年展-きものと帯を通して見る飛鳥から江戸の染織文化-
阪急うめだ本店    第4回日本財団DIVERSITY IN THE ARTS公募展
阪急メンズ大阪    「TAGBOAT ART SHOW」× 阪急 MEN’S OSAKA
心斎橋PARCO “YOU WANT SOME?”
心斎橋PARCO ART SHINSAIBASHI コンテンポラリーアートコレクション
心斎橋PARCO D-art,ART
大丸心斎橋店 Sparkle
大阪中之島美術館 みんなのまち 大阪の肖像
ジーストア大阪    RPG不動産展
髙島屋史料館 大大阪の百貨店

 

 

佐藤健寿展に行くついでに西宮市をうろついたり、大阪市ミュージアムガイドを参考に柴島の水道記念館を訪れたりと新規開拓気分が強かった。西宮市で何ヶ所も巡ったからだろうか。時間と立地の都合で行けなかった西宮市貝類館をはじめ、西宮神社や今津灯台など心残りがあるため、また行く機会を設けたいところ。

今月は大阪市自然史博物館の鳥の巣展が特に心に残った。鳥の巣のバリエーションの豊富さだけでなく、コレクションを築いていく中での蒐集体験記のパネル展示が面白く、その蒐集記を集めた物を読みたいと思ったぐらい。家族旅行の名目で鳥の巣集めに地方に出かけたり、収集した宝の巣をきれい好きな妻の父に処分されたり。集められた一つ一つの資料それ自体に、収集段階でも思い出が籠っているのがわかり、より一層展示物が色づいて見える。そんな展示だった。

 

 

6月に読んだ本まとめ

 

白鳥士郎りゅうおうのおしごと!』16巻
遠田潤子『人でなしの櫻』
中島空『境界のポラリス
ディーノ・ブッツァーティ『モレル谷の奇蹟』
宮澤伊織『裏世界ピクニック』6巻
イバン・レピラ『深い穴に落ちてしまった』

河内春人、 亀田俊和、矢部健太郎、高尾善希、町田明広、舟橋正真『新説の日本史』
左巻健男『こんなに変わった理科教科書』
ガヤトリ・C・スピヴァクナショナリズムと想像力』
ケネス・タナカ『目覚めるアメリカ仏教』

 

 

いつもよりは小説を読んだ気がする。家族愛の欠けた「人でなし」が芸術に殉じて許されざる行為の中で傑作を産み出そうとする『人でなしの櫻』が印象的だった。愛憎入り混じる上での現代版『地獄変』のような作品。作者の人格と作品を分けて考えていくとしても、作品を産み出す過程で明らかな犯罪行為が絡んでいる物は後世でどう評価されるのか。魔性のミューズと芸術家の関係も含めて、芸術家の業を突きつけてくる小説だった。

5月のまとめ

5月に行った展覧会まとめ

 

心斎橋PARCO UNDってなぁに?
大丸心斎橋店 アメリカスポーツアートの巨匠が描く ゴルフアート展
富士フイルムフォトサロン大阪 小林修写真展 司馬遼太郎街道をゆく』の視点 歩いた風土、見抜いた時代
阪急うめだ本店 篠原貴之 水墨絵画展
梅田蔦屋書店 FRUCTUS CHIZURU MASUMURA
大阪大学総合学術博物館 モダン中之島コレクション “大大阪”時代の文化芸術発信センター
キヤノンギャラリー大阪 報道写真記者と広告写真家の比較作品展「誰が撮っても、同じじゃない。」
大阪市立科学館
大阪府中之島図書館 街頭紙芝居ってどんなもの??展
大阪市立美術館 華風到来 チャイニーズアートセレクション
大阪歴史博物館 タイルとおおさか-日本における「タイル」名称統一100周年-
きしわだ自然資料館    
岸和田城 収蔵品展-岸和田の美術-
岸和田だんじり会館    
岸和田市立自泉会館 佐佐木勇蔵コレクション「短冊に見る日本人の美意識」

 

 

コロナもあってあまり会えていなかったサークルの後輩と中之島近辺を中心にうろうろした。自分は独りで展示を見ることがほとんどだが、独りで見ている限りでは知識も感想も自分の領域を大きく超えることは無い。久々に会えた嬉しさも大きかったが、誰かと展示を一緒に見て、雑に感想を共有する体験ができたのは楽しかった。大阪市立科学館のように、体験展示が盛り沢山な所だと誰かと周る方が良い。先月の堺廻りもサークルのメンバーと行ったが、人と逢える機会を大事にする意味でも、こういう他人と展示を見て過ごす時間をこれからも取っていけるといい。

 

 

5月に読んだ本まとめ

 

アンドレイ・クルコフ『ペンギンの憂鬱』
佐藤まどか『スネークダンス』

大阪市ミュージアムガイド』    
岡田憲治『政治学者、PTA会長になる』
小高知宏『機械学習をめぐる冒険』
倉阪鬼一郎『はじめてのトライアスロン
皓星社編集部編『<記憶の継承>ミュージアムガイド 災禍の歴史と民族の文化にふれる』
佐藤忠良『つぶれた帽子 佐藤忠良自伝』
渋武容『日本の航空産業』
宮下規久朗『名画の生まれるとき 美術の力II』
山田徹、谷口雄太、木下竜馬、川口成人『鎌倉幕府室町幕府 最新研究でわかった実像』

 

 

ミュージアムという枠に収まる場所はとりあえず1度は行ってみようとしているため、大阪市内の施設情報をまとめた『大阪市ミュージアムガイド』は非常に便利で助かる。最寄りの図書館で借りて冊子として読んだが、オンライン上でも公開されており、興味がある方は是非読んでほしい。企業博物館や大学博物館も網羅しており、開館事情が把握できていなかったサクラアートミュージアムや、予約すれば入れることを初めて知った大阪市立大学140周年記念展示室など、初耳情報も少なくなかった。そして、大阪メトロの一日乗車券であるエンジョイエコカードを使いまくっていながら、施設割引の存在を初めて意識した。半分以上の施設にまだ行ったことが無いため、どんどん巡っていきたいところ。

ocm.osaka

今月読んだ中で面白かったのは『政治学者、PTA会長になる』だろうか。前世紀的で不合理なPTA活動を、政治学者の著者が改革しようとする奮闘劇を描いた体験記だが、ボランティア活動組織における立ち振る舞いという面で興味深かった。何者かである人間が、何者でも無いと思う献身的な人間に大上段の正論でやり合うよりも接し方はあるだろうと。まあ強いられ、仕事として捉えられるようになったボランティア活動はおかしな物ですが。

4月のまとめ

4月に行った展覧会まとめ

 

箕面公園昆虫館 世界の蝶
箕面ビジターセンター    
観心寺霊宝館    
堺市役所高層館展望ロビー さいとう・たかを劇画の世界
シマノ自転車博物館 「シマノ自転車博物館ができるまで」展
アルフォンス・ミュシャ館 アンニュイの小部屋――アルフォンス・ミュシャ宇野亞喜良
南海ホークスメモリアルギャラリー    
大阪大谷大学博物館 吉永邦治展 異境への旅

 

 

街中の博物館体験とは違う非日常な体験がしたくなり箕面に行ってきた。目的地は箕面川ダム。少ないながらもダムカードを集めているので、道中の箕面公園昆虫館ダムカードをもらい、観光名所の箕面大滝を眺め、ダムまで歩くことを計画。箕面大滝までは整備された滝道を歩き、流れる川と森の景色に心癒されたが、大滝からダムまでのルートは車道と自然道で結構ハードで、のべ2時間ほど歩いてダムに着いた頃にはへとへとになっていた。ようやく辿り着いたダムは、柵と植わった木々のためにダム湖があまり見えず。観光案内所の方に、良く見える展望台があると聞いていたものの、そこまで回る時間と体力が無かったために無念の下山。道中では野生のサルに出会う貴重な体験をしました。ダムの感慨は薄かったものの、色々とシャットアウトして自然の中をゆったり歩くことで、心洗われる体験ができて本当に行って良かった。これからも自然の中に身を置く時間は取っていきたいところ。そういう体験としては、能勢町のアスレチックが気になっている。

 

 

4月に読んだ本まとめ

 

砂川文次『ブラックボックス
竹町『スパイ教室』7巻
日日綴郎『青のアウトライン 天才の描く世界を凡人が塗りかえる方法』

大脇和明『白虎消失 高松塚壁画劣化の真相』
岡田美智男『〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション』
小田中直樹『フランス現代史』
鳥原学『平成写真小史』
エイブラハム・フレクスナー、ロベルト・ダイクラーフ『「役に立たない」科学が役に立つ』

エドワード・ゴーリー『鉄分強壮薬』
ジョン・シェスカ『あぁとくんをみかけませんでしたか?』

 

 

今月は『白虎消失』が印象的だった。高松塚古墳の発見から、壁画の劣化が報道されて、石室が解体され、2年前に壁画の修理が完了するまでの動向を、新聞記者の目線から丹念に追った一冊。古代の遺物は発掘した瞬間から劣化が進んでいく。現地保存か解体しての保存か。発掘された文化財のある地元民はどうするか。進む劣化を抑えつつ、それでも公開していく意味とは。日本における壁画保存という未曽有の事態に対し、苦心して保存に当たった関係者の姿と、それでも止められなかった劣化の物語は、文化財の未来や向き合い方を考えさせられた。

3月のまとめ

3月に行った展覧会まとめ

 

狭山池博物館 くらしの道具展
髙島屋史料館 大大阪の百貨店
大阪歴史博物館 新収品お披露目展
阪神梅田本店 九谷焼 北村和義作陶展
阪神梅田本店 C/STORE -ARTSELECTION-
阪神梅田本店 C/STORE -Art&Design-
造幣博物館 造幣局今昔ものがたり~創業150年を迎えて~
きらめきファクトリー だんじり造形美展~地車彫物師 山本陽介氏の世界~
狭山池博物館 土木遺産展 舗装-道・路・道路-
シマノ自転車博物館 「シマノ自転車博物館ができるまで」展
国立国際美術館 感覚の領域 今、「経験する」ということ
国立国際美術館 コレクション2:つなぐいのち

 

 

新規開拓した造幣博物館が今月のヒット。歴史ある建物や野外の圧印機に気持ちを昂らせつつ入館し、明治期の日本において造幣局が技術的にも文化的にも大きな役割を果たしたことを学ぶ。当時の機器が展示される中で目を引いたのは、場違いにすら感じる巨大な青い硫酸銅の塊だった。創業当初に硫酸を製造する過程で算出した物であるらしい。こんな所で目にするとは。造幣局の歴史展示、現代の貨幣の製造過程の解説、勲章や褒章類の展示と、物量は多くないものの濃密な展示に最初の階だけである程度の満足感を感じていた。階段を上がって広がっていた貨幣史の展示は、遠い昔に訪れた貨幣博物館の展示風景とダブり、感じていた疲労感のままに流し目に鑑賞。最後の記念硬貨と珍しい硬貨の展示で気分を盛り返し、ようやく終わりかと思ったところで特別展を見て本当に終了。

相変わらず行き当たりばったりに展覧会を選んで行っている。今行きたい気持ちに傾いているのは、4月にリニューアルオープンする藤田美術館と、今月オープンした天理市のなら歴史芸術文化村だろうか。文化財修復工房の見学ができる後者に特に興味がある。

 

 

3月に読んだ本まとめ

 

逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』
青山美智子『赤と青とエスキース
九段理江『Schoolgirl』
珠川こおり『檸檬先生』
藤原無雨『その午後、巨匠たちは、』

秋道智彌、岩崎望編『絶滅危惧種を喰らう』
ジェリ・クィンジオ『鉄道の食事の歴史物語 蒸気機関車オリエント急行から新幹線まで』
竹縄昌『日本最初のプラモデル 未知の開発に挑んだ男たち』
長谷川貴彦『イギリス現代史』
みうらじゅん辛酸なめ子『ヌー道 nude じゅんとなめ子のハダカ芸術入門』

 

 

小説を多く読んだ気がしていたがそうでも無かった。今月の一冊はジェリ・クィンジオの『鉄道の食事の歴史物語』。食堂車が導入されてから廃れるまでの黄金時代を中心に、欧米の鉄道の旅と食事文化を描いた一冊。19世紀半ばにプルマン社が導入した食堂車では、地元の食材を使いつつ高級ホテルに近い料理を味わうことができた。豪華列車の旅は一大娯楽として時代を築いたものの、嵩んでいくコストと航空機の誕生で廃れていく。当時のメニューやレシピが諸所に挿入され、華やかなりし頃の鉄道を擬似的に体験できる。走らせれば赤字であるにもかかわらず、続けざるを得なかった豪華列車。個人用の車両を所有していた富豪。およそ1世紀程の栄光ながら、文学や音楽などに影響を与えた鉄道の旅が如何なる物だったか、食事の面から感じられる本だった。同じく原書房が刊行する『船の食事の歴史物語』と『空と宇宙の食事の歴史物語』も読みたい。

2月のまとめ

 5年ほど前、ウクライナについてそれほど知らない中、ウクライナデーin東京というイベントに行き、ボルシチなどを食べたことを思い出す。あの頃から知っていることはそれほど増えてはいないが、当時くじ引きだかで貰ったウクライナの歴史名所案内の本は今も部屋にある。手に入れてから開いたことはほとんど無かったが、今こそ手を出して読んでみようかと思い始めている。

 

 

 

2月に行った展覧会まとめ

 

阪急うめだ本店 阪急×アートコレクターズ ニュースター達の美術展 2022
心斎橋PARCO デハラユキノリ新作フィギュア展「せっしょく」
大丸心斎橋店 山田雄貴日本画
大阪中之島美術館 Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―

 

 

今月は大阪中之島美術館の開館記念展に行けたことが何より嬉しかった。展示点数はまさかの約400点。コレクションの基盤となったコレクターの美術品群から始まり、大阪にゆかりの近現代美術作品、西洋美術も含めた錚々たる面々の近現代美術作品、そして膨大なポスターの展示に、有名家具。質と量に圧倒され、最後は心地よい疲労感の中で休み休み鑑賞していた。この一大コレクションの一部を他の展覧会で目にすることはあっても、コレクション自体の規模を考えたことは一度も無かったため、いやこんな作品まで持っているのかと、歩を進める度に驚きとおしていた。大阪の中心部で、これだけのコレクションを持つ美術館が産まれたのは本当に喜ばしい。所蔵品展が定期的に開かれると良い。

印象に残ったのはモーリス・ド・ヴラマンク《雪の村》、池田遙邨《雪の大阪》、前田藤四郎の版画作品など。アルチンボルドを持っていることにビックリした。展覧会として惜しむらくは、展示品リストが会場で配布されていなかったことか。可能なら会期が終わる前に再訪したい。

 

 

2月に読んだ本まとめ

 

石田夏穂『我が友、スミス』
竹町『スパイ教室短編集』2巻
二月公『声優ラジオのウラオモテ』6巻
サーシャ・フィリペンコ『赤い十字』
牧野圭祐『月とライカと吸血姫』7巻

川添愛『言語学バーリ・トゥード Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』
倉谷滋『怪獣生物学入門』
松尾秀哉『ヨーロッパ現代史』
渡辺靖『白人ナショナリズム
渡辺靖リバタリアニズム

 

曖昧な知識以前にまともに勉強したことが無いので勉強目的で『ヨーロッパ現代史』を一通り読んだものの、一読しただけで頭に残った物はあまり多くない。後で参照するための引き出しとなる本はここ数年で増えたと思うが、頭の中から取り出して操れる知識や知見はそんなに増えていない気がしていて、そのことに焦りのような物を感じる。

今月読んだ小説では『我が友、スミス』が印象深い。筋トレ趣味の会社員の女性が、あるきっかけからボディビル大会を目指して鍛錬していく小説。目標とする大会に向けて追い込んでいく姿勢、勝つために許される手段はどこまでか、大会という縛り故に求められることなど、大会にストイックに励む界隈を外から垣間見る身として面白かった。そして、それ以上に惹かれたのは、大会など関係なく別の生き物になりたいと励み続ける姿勢で、理想の自分に向けて何かを積み続ける在り方に一定の共感を得た。怠惰な自分は継続的な鍛錬をできないし、入れ続ける意識下にあるのは空虚への恐怖心だが、それでも、外的な何かのためでは無く、ただただ積み上げ続けて別な存在へと自分を変わらせていきたい。今なおそんな願いを抱き続けている。

1月のまとめ

 気づけば年が明けていた。うろうろして読書する背景に記録の意識が付きまとい、行為の後に何か残っているかすら自信を持てなくなっている。ともあれ、これが生活の一面の記録であること自体は間違いない。今年もよろしくお願いします。

 

 

 

1月に行った展覧会まとめ

 

あべのハルカス美術館 コレクター福富太郎の眼 昭和の名実業家が愛した珠玉のコレクション
阪神梅田本店 鉱物の魅力にふれたい!「宝石商のメイド展」×「麗しき鉱物展」
阪神梅田本店 湊由妃展 -Black and White Drawing-
阪神梅田本店 ことばのアート展 -Forest of Words-(Part1)
心斎橋PARCO ART SHINSAIBASHI
大丸心斎橋店 山本雄教展「How much?」
国立文楽劇場資料展示室 文楽座の歴史Ⅰ
なんばマルイ 凪のあすから×色づく世界の明日から×白い砂のアクアトープ  コラボレーション展~海の色を巡りに~

 

 

感染拡大で出不精になったが、それ以前にあまり展覧会のリサーチをしていなかったので、そういう気分では無かったのだろう。福富太郎展が印象的。美人画を中心に、時代を感じる作品を蒐集していたコレクターの視点を感じさせられる展覧会で、福富太郎の好みを感じながら、作品から明治・大正期の空気を味わっていた。それにしても、終盤にあった萬鐵五郎の《裸婦》は、キュビズム作品で他とは毛色が違う印象を受けたが、どういう意図での蒐集だったのだろう。美術史路線と言えるかもしれないが、それでも他の展示作品からは浮いていた気がする。「あやしい絵展」に続き、女性の色々な表情や感情を捉えた作品を堪能した。

来月に開館する大阪中之島美術館の開館記念展はどうにか行きたい。感染状況があまり良くないので、それを理由に出不精が悪化して会期を逃してしまいそうだ。あべのハルカス美術館印象派展、国立国際美術館の「感覚の領域」展、奈良県立美術館の所蔵名品展などに興味があるが、果たしてどうなるやら。

 

 

1月に読んだ本まとめ

 

ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』
宇佐見りん『推し、燃ゆ』
キム・チュイ『ヴィという少女』
乗代雄介『皆のあらばしり
八目迷『夏へのトンネル、さよならの出口』 
李琴峰『生を祝う』
劉慈欣『火守』

市川裕『ユダヤ人とユダヤ教
レイチェル・カーソンセンス・オブ・ワンダー
長谷川朋子『NETFLIX 戦略と流儀』
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
水島治郎『ポピュリズムとは何か』
宮島達男『芸術論』        
藪正孝『県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実』

 

 

あまり出歩かない分だけ、気になっていた本を中心に、普段手に取らない路線の本も読んでみた。ずっと読もうとしていた『推し、燃ゆ』が面白かった。題材や展開だけでなく、それを紡いだ文体も含めて、読み終えた後にすごい物を読んだと感じさせられた。ままならない日常と、そこからさらに転落していく主人公の姿を見てもなお、ここまで打ち込み没頭できる物があることに羨ましさを一番に感じてしまった自分が悲しかった。全てを賭けられるとまで言わなくとも、没頭していると言えるほどの物、通暁していると言えるぐらいの物を何か作っていきたい。