3月のまとめ

3月に行った展覧会のまとめ

 

髙島屋史料館 「人間 栖鳳」 生誕160年 知られざる竹内栖鳳
大阪大学中之島芸術センター 服部良一笠置シヅ子:花開く大阪音曲
大阪くらしの今昔館 文様彩集
阪神梅田本店 日本の絵画- 過去・現在・未来 -
阪神梅田本店 優子鈴 大阪初個展「水の都」~水彩で描く美少女原画~
阪神梅田本店 原田ちあき作品集出版記念「私はかわいい、絶対かわいい。」OSAKA
大阪市立自然史博物館 自然史のイラストレーション ~描いて伝える・描いて楽しむ~
四天王寺宝物館 四季折々の四天王寺~絵画にみる近現代の彩り~
尼崎市立歴史博物館 尼崎市指定文化財の精華
尼崎市立歴史博物館 わがまち誇りの指定文化財写真展
尼崎市総合文化センター 開室10周年記念 白髪一雄記念室のあゆみ
狭山池博物館 土木遺産展―石をはこぶ 瀬戸内の石の島から大阪へ―
堺市博物館 芝辻理右衛門家文書と堺の鉄炮鍛冶
ジュンク堂書店大阪本店 浪花百景×未来景  アートでつむぐOSAKA展
阪神梅田本店 阪神タイガース2023日本一記念 成瀬國晴個展“さあ みんなで今季も”
グランフロント大阪 ミュオグラフィアート展2024
京都dddギャラリー 永原康史—時間のなかだち:デザインとNFTの邂逅
千總ギャラリー 舞台は御所解
千總ギャラリー slide/shift
京都文化博物館 コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより
京都文化博物館 雛人形名品展
京都文化博物館 紫式部と『源氏物語
京都蔦屋書店 山口芳水個展「脆 MOROI HOUSUI YAMAGUCHI exhibition」
京都蔦屋書店 grid3-biscuit gallery 3rd Anniversary Exhibition

 

 

市役所に松原市のマンホールカードを貰いに行くのとあわせ、近鉄線で大阪市立自然史博物館の自然史のイラストレーション展を見に行った。市役所入口の横断幕で初めて知ったが、東京五輪金メダリストの西矢椛は松原市の出身らしい。スケボーのまちとして市を挙げてPRをしているようだ。高見ノ里駅から3駅、矢田駅で降りて長居公園を少し歩いて博物館へ。

平日の昼間という時間帯のせいか、展示会場はかなり空いていた。他に展示を周っていたのは3~4組ぐらい。今回の展示は、文献や図鑑などに描かれた生物や自然のイラストレーションにフォーカスした特別展で、書籍に限らず博物館の普及活動の中で作成された資料なども展示する。学術的な正確さを追求しつつ、イラストとしていかに落とし込んでいくのかに興味があるため、会期に余裕はあるものの早めに行っておきたかった。

展示は3部に分かれていて、第1部が日本の本草書や西洋の博物画などカメラが普及する以前の博物図譜、第2部が論文や図鑑に記載された生物の線画やイラスト、第3部が大阪市立自然史博物館の普及教育活動で多くの人が描いたイラストの展示。展示物量は第1部がやや少なめ。写真技術が進歩した現代でイラストが使われ続ける意味は何か?というのが展覧会全体の一つのテーマになっている。特徴をわかりやすく捉えた精緻なイラストをいくつも見ていく中で、写真よりも情報を絞ったイラストの方がわかりやすいことも確かに多そうだなと感じた。複雑な構造を単純化したり、見やすく強調したり。注目すべきポイントから生物種を特定していく絵解き検索は特にそう思う。ただ、イラストレーションの展示を主軸に置いた分だけ写真資料は少なく、イラストと写真を比較できる展示はあまり無かったため、そういう展示があるとイラストの意味がもっとわかりやすかったかもしれない。

興味深かったのは、第2部の最初に取り上げられていた植物標本と論文に記載された線画を比較した展示で、生物種を記載する際にどう情報を取捨選択してイラストとして強調していくかの過程が解説されていたのが面白かった。第3部で科学絵本の絵が専門家の監修でどのように修正されていくかの例が展示されていたのと合わせ、描かれる過程が少しでも見えたのが良かった。博物館で開催された展覧会のポスターとミュージアムグッズの展示を見た後、本展のようなイラスト資料の保管はあまりきちんとなされていないという最後のコメントを読みながら、そうか友の会での観察資料やミュージアムグッズも自然史の資料の一つとも言えるのかとハッとさせられて会場を出た。

 

 

3月に読んだ本のまとめ

 

大田ステファニー歓人『みどりいせき』
小川哲『君が手にするはずだった黄金について』
川野芽生『Blue』
小砂川チト『猿の戴冠式
日比野コレコ『モモ100%』
綿矢りさ『パッキパキ北京』

甲南大学プレミアプロジェクト神戸ガイド編集委員会編『大学的神戸ガイド こだわりの歩き方』
角知行『移民大国アメリカの言語サービス 多言語と〈やさしい英語〉をめぐる運動と政策』
ちいさな美術館の学芸員学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』
日本史史料研究会編『日本史のまめまめしい知識』第2巻
ミリタリー企画編集部 『日本で見られる保存機・展示機ガイドブック』

 

 

話題になって気になっていた小説を何冊か読んだ。わからない薬物の隠語を調べながら、たまにトリップする口語文体を楽しんだ『みどりいせき』が面白かった。不登校気味の主人公が、小学生の頃にバッテリーを組んでいた後輩と高校で再会し、ふとしたきっかけから彼女の闇バイトに関わるようになっていくというあらすじ。都内で薬物を手渡し販売する高校生達のヤバいが温かな日常。手伝いをずるずる続ける中、ボコボコにされる目に遭っても縁を切ることはできず、どうしようもない終わりへ向かって行く。最初の方は文体に慣れずあまり読み進められなかったが、再会して彼女らが何をやっているのかがわかるようになってからは最後まですんなり読めた。再会して関わろうとして悪の道に進むことになるが、出会わずに今の状況が続いていてもおそらく幸せでは無いのが何とも。