8月のまとめ

8月に行った展覧会まとめ

 

国立民族学博物館
アルフォンス・ミュシャ館 アルフォンス・ムハ モラヴィアン・ドリーム!
旧山中分校 第2回レトロゲーム博物館計画資料展示会
歴史館いずみさの 近代の泉佐野―明治・大正に遺された記録―
宝塚市手塚治虫記念館 テヅカプファイティングユニバース CAPCOM VS. 手塚治虫CHARACTERS
あべのハルカス美術館 超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA
河内長野市立ふるさと歴史学習館 楠木正成伝説
上方浮世絵館 旅する芝居の楽しみ
髙島屋史料館 万博と仏教―オリエンタリズムか、それとも祈りか?
国立国際美術館 コレクション1 80/90/00/10
阪神梅田本店 廣瀬祥子個展 「[Departure]from Unreality:A Slumber's End」
阪神梅田本店 第2回イラスト甲子園
阪神梅田本店 夏目レモン展『螺鈿
阪神梅田本店 ろるあ個展「解」
阪神梅田本店 嵯峨美術短期大学コミックアート展
阪急うめだ本店 ~果てしなき夢の途中~鈴木英人の世界展
阪急うめだ本店 寺井ルイ理「ハイブリッドドリーム“夢は時空を超えて見れるか?”」

 

 

久々にぐるっとパス関西を購入し、ミュシャ館を皮切りに無料/割引のある施設を巡り始めた。スタンプラリーを完走するともれなくプレゼントが当たる企画が開催中なことを知ったが、利用期間は3ヶ月しか無いので今の段階でもう大分厳しい。上方浮世絵館の入館料が500円から700円に値上がりしたため、ぐるっとパスの元を取ること自体は楽になった。

今月はレトロゲームの展示会と超絶技巧展が印象的だった。こんな機会でも無ければ行かない小さな無人駅で降り、古い街道を歩き、辿り着いた廃校では壁一面にゲーム機が並んでいた。フェアチャイルド・チャンネルFのような名前だけ知っている古のゲーム機。昔プレイしたゲームハードとそのソフト。物珍しさと懐かしさで、ひたすらテンションが上がっていた。大阪万博に際して日本の文化としてゲーム博物館を作りたいという開催意図らしい。そういうゲーム史に関するアーカイブや展示施設がオープンするなら是非とも行きたいところだが、流石にもう少し行きやすい場所で開館してほしい。科博の電子楽器の創造展のように、3Dモデルと解説文がオンラインで閲覧できるようになると便利かもしれない。

岐阜県現代陶芸美術館のチラシを見て以来、ずっと行きたかった超絶技巧展は、予想以上に展示数が多く、素材も様々で面白かった。作家によってはメイキングビデオも観ることができたのも良い。一年に及ぶ長い長い時間を経て産み出される作品は、作成過程での細やかなこだわりの積み重ねとして、完成品としての美しさだけでなく執念のような物を感じる。素材としての加工イメージのしやすさもあって、初っ端に展示されていた前原冬樹の木彫がクライマックスに感じてしまったのは嬉しくも残念だった。昔作品を見てから気になっていた、山口英紀や池田晃将の作品をまた目にすることができたのも嬉しかった。

 

 

8月に読んだ本まとめ

 

石田夏穂『黄金比の縁』
市川沙央『ハンチバック』
児玉雨子『##NAME##』
古川真人『ギフトライフ』

川口潤編『心とは何か』
国立歴史民俗博物館監修、「性差の日本史」展示プロジェクト編『新書版性差の日本史』
斎藤環『「自傷的自己愛」の精神分析
周司あきら、高井ゆと里『トランスジェンダー入門』
東北大学日本史研究室編『東北史講義【近世・近現代篇】』
西村祐子『皮革とブランド 変化するファッション倫理』
望月昭秀編『土偶を読むを読む』

 

 

気になっていた話題作をようやくいくつか読んだ。批判対象の『土偶を読む』は手に取ることすらしていないが、『土偶を読むを読む』は今の考古学が何をやっているのかを垣間見ることができて興味深かった。痛快にバッサバッサと切っていく批判パート以上に、対談パートや文化人類学と考古学を比較した論稿が面白かった。科学分析技術の進展により、仮説の部分も大きかった考古学をアップデートしていけるのか。縄文期の社会のことなんかどうやってわかるんだと思っていたが、発掘人骨の分析が進んで仮説を裏付けたり新たに展開したりできる段階に入りつつあることを知る。今まで先史時代にあまり興味を持っていなかったが、発掘された資料について分析して仮説を立てたり検証したりしていく過程が面白く感じたので、何か本を手に取ってみようかな。