10月のまとめ

10月に行った展覧会のまとめ

 

和泉市久保惣記念美術館 宗達-物語の風景 源氏・伊勢・西行
大阪大谷大学博物館 おくすり大百科 目指せ!おくすり博士 歴史編
大同生命大阪本社 大同生命の源流“加島屋と広岡浅子
大阪中之島美術館 みんなのまち 大阪の肖像2.5「大阪の戦後建築と中之島
大阪中之島美術館 テート美術館展 光― ターナー印象派から現代へ
大阪大学中之島芸術センター 豊中市所蔵 京・大坂 日本絵画の精華~花鳥画の名品から俳画の珍品まで~
阪急うめだ本店    長坂真護展

 

 

あまり出かけない月だった。有効期限内のぐるっとパス関西を使うため、和泉市久保惣美術館に行ったのが数少ない外出だった。俵屋宗達を中心とした展覧会で、源氏物語伊勢物語などの色紙・絵巻物をメインに屏風絵などが展示されていた。物語絵にはあまり詳しくなく、どれも同じような描かれ方のイメージを持っていたが、源氏物語のこの帖からこのシーンをこうやって切り取るのか、構図や見せ方にも工夫があるのだなあと感じていた。行ったタイミングが国宝の展示期間で、、名前だけ知っていた国宝の《蓮池水禽図》も目にすることができた。水墨画技術の妙がわからず、国宝という前情報と俵屋宗達という作者名が無ければ見過ごしてしまいそうだった。まだまだ学び知っていくことは多い。

美術館に着いた時にちょうどだんじりが前に停まっているのを目撃した。だんじり囃子を聞きながら展示を鑑賞し始め、観終わる頃にはだんじりも周辺から離れているだろうと考えながら展示を一周した。ほどほどの時間になったので美術館から出てバス停へ向かったが、駅へと向かう帰りのバスが全然来ない。到着予定時刻から30分以上待ったところで、諦めて駅までの道を歩き出した。雨が降る中で40分も歩きたくなくてバスを使おうとしたが、無駄に時間を浪費するならさっさと歩けばよかった。それでも、道中でバスに追い越されることは無かったので、さらに待ち続けるよりはマシだったと思う。だんじりシーズンにバス移動が前提の地域に来るべきではないことを心に刻み込んだ。和泉中央駅からJRの和泉府中駅までバスで移動したかったが今日はダメだと諦め、大阪市の中央図書館を目指して南海で汐見橋駅へ。少し歩けば難波に出られる立地の駅なのに、構内に自動精算機が無いことにビックリした。

別の日には大阪の建物公開イベント「イケフェス大阪」に合わせ、中之島近辺の展示を見に行った。去年のイケフェスでは企業ミュージアムを優先し、道修町ミュージアムストリート近辺と大阪証券取引所大林組歴史館、モリサワ本社と巡った。今年は大阪中之島美術館の展覧会とセットで肥後橋周辺を巡ることにし、大同生命大阪本社、日本基督教団大阪教会、江戸堀コダマビルと周って淀屋橋方面へ歩き、三井住友銀行大阪本店を見て大阪市中央公会堂の壮麗な集会室を堪能して終わり。昼から出て行って他の展覧会を周りながらだと、イケフェスを充分楽しむにはどうしても時間が足りない。来年以降は建物だけを見る目的でルートを組んでみてもいいかもしれない。

 

 

10月に読んだ本まとめ

 

石田夏穂『ケチる貴方』
石田夏穂『我が手の太陽』
一色さゆり『カンヴァスの恋人たち』
白鳥士郎りゅうおうのおしごと!』18巻
竹町『スパイ教室』10巻
八目迷『ミモザの告白』1~3巻
宮澤伊織『裏世界ピクニック』8巻 
李琴峰『観音様の環』

岡野原大輔『大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界』
小野寺拓也、田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』
小原真史『帝国の祭典 博覧会と〈人間の展示〉』
奈倉有里『ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ』
松沢裕作『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』
村上由鶴『アートとフェミニズムは誰のもの?』
室橋裕和『北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本』

 

 

家に籠っていた分だけ、いつもよりは少しだけ本を読む量が多くなった。厚めで硬めの本はあまり読まなかったが。月初めに読んだ『北関東の異界 エスニック国道354線』は、副題から想起するエスニック料理方面の話題を期待して読んだら、グルメの話題以上に北関東のエスニックコミュニティの多様さとその生活に驚かされる一冊だった。エスニック料理店に行くこともほとんど無くなってしまったが、またそういう物を食べる時間も取りたい。

ボディビル小説の『我が友、スミス』が面白かったので、作者で本を手に取って行ったら石田夏穂の単行本での既刊4冊を全部読んでしまっていた。最初に読んだ『我が友、スミス』の印象がどうしても強いが、仕事への誇りとこだわりの強さ故に、スランプに陥った際に仕事への向き合い方の歪さが浮き彫りになっていく『我が手の太陽』も読んだ作品の中では面白かった。設定としては脂肪吸引にドはまりする『その周囲、五十八センチ』もインパクト大。