9月のまとめ

9月に行った展覧会まとめ

 

造幣博物館 おはなしに登場するお金―昔話から推理小説まで―
阪急うめだ本店 アール・ヌーヴォー魅惑の煌めき ガレ・ドーム ガラスの世界展
阪急うめだ本店 フランスのファッションとアンティークジュエリー~18世紀ロココから1950年代まで~
阪神梅田本店 イセ川ヤスタカ個展「BUSTAR BULLET」
大阪府江之子島文化芸術創造センター 大阪府20世紀美術コレクション展「くりかえしとつみかさね」
堺市博物館 無形文化遺産シリーズ展「アジアの伝統的織物―中国・韓国・日本を中心に―」
堺市博物館 河口慧海 仏教探究の旅
阪急うめだ本店 “JAPAN IS BEAUTIFUL” Artworks by MR BRAINWASH
阪急うめだ本店 長島伊織個展 Reverie
パナソニックミュージアム 松下幸之助『私の行き方 考え方』ゆかりの地をたどる―和佐村から門真まで―
パナソニックミュージアム 夢の実現、テレビジョンが拓いた未来
守口市立図書館郷土資料展示室    
阪神梅田本店 クリパレ2023
阪神梅田本店 阪神梅田本店 過去最大のアートフェア!第3回 OSAKA ART FES HANSHIN
なんばマルイ 今市子原画展 -百鬼夜行抄より 紡がれるふたつの世界-
阪急うめだ本店 ー日本のふるさとを描くー【特別展】川合玉堂 生誕150周年記念
中之島香雪美術館 茶の湯の茶碗 ― その歴史と魅力 ― 
キヤノンギャラリー大阪 西田航写真展「COLOR OF KANSAI」
大阪大学中之島芸術センター 中村恭子日本画作品展「風景の肉体」
大阪市立科学館 プラネタリウムの歴史と大阪
エスパスルイ・ヴィトン大阪 シモン・アンタイ「Folding」

 

 

ずっと行こうとしては行きそびれていたパナソニックミュージアムに行ってきた。大阪近辺の展覧会巡りは大阪メトロの一日乗車券を使うか否かで一日の行き先を決めているが、大阪市内をうろうろしやすいメトロを使いがちで、京阪の駅が最寄りの同館はずっと行けていなかった。Googleマップを眺めていたら谷町線守口駅から歩けば15分ほどで着けることが判明したので、実質メトロ圏内で行きやすいじゃないかと行ってみることにした。

守口駅で降りて大通りを歩き始めてすぐ、ふと横を見ると何やら解説を記した案内板が目に入ったので曲がってみると文禄堤の説明板があった。かつて京街道がここを通っていたらしい。初めて降り立った守口市を数分で通過して目的地に到着。隣に大きな公園はあるし、Panasonicの文字が遠目にも見えるので初めての場所ながら迷わず着けた。

パナソニックミュージアム松下幸之助歴史館とものづくりイズム館の2つの施設から成る。ルートの都合上、ものづくりイズム館の前を先に通りかかったが、正門まで歩いてまずは松下幸之助歴史館へ。敷地にある松下幸之助像の写真を撮っていたら、警備員の方に声を掛けられ、入口脇の案内碑に刻まれた文字が何と書いてあるか読めます?というクイズを出された。答えは「歴史館」という施設そのものの漢字3文字だったが、「歴」の文字だけわからず。「展」みたいな文字なのか。

松下幸之助館は松下幸之助の生涯とそれに関連するパナソニックの歴史、そして彼の思想というか経営哲学をパネルで解説した施設で、パネルとセットで説明に関連した発明品や資料を展示している。入った瞬間に松の木が目に入り、その下に訃報記事や彼の言葉の展示があった。Time誌の訃報記事の「The Man "Undernearth the Pines"」という見出しにしばし考え、ああ「松下」かと納得する。「松下」から展示が始まり、丁稚奉公時代、事業を立ち上げて色々産み出した時代、戦時期、戦後の苦境、海外へと目を向けていく時代、不況の苦しい時期、社会貢献運動を展開していく時代と、濃厚な人生がわかりやすいパネルでまとめられていた。パネルごとに松下幸之助の言葉を記したカードがあって、そこそこの枚数のそれらを収めるケースが販売中だという。松下幸之助が偉人として今なおリスペクトを集める理由が少しわかったような気がしたが、時代の中で勝ち残ることができた成功者という側面も大きいような感じがした。完全週休二日制を日本で初めて導入したのは松下電器だと知る。

その後はものづくりイズム館へ。長いパナソニックの歴史の中で特筆すべき家電製品が展示されているほか、企画展を開催していて、行った時にはテレビの歴史の展示がやっていた。パナソニックに強いこだわりも無ければ、個別の家電製品に強い思い入れも無いが、技術の進歩とか新しいテクノロジーの結晶を見るのは好きで、現在当たり前となっている身の回りの物が産まれるまでにあった年月の積み重ねを感じられて面白かった。個々の製品だけでなく、その製品が発表された時の広告も物によっては展示されていて、広告に時代や売り出した方の工夫が見えたのも面白かった。企画展のテレビの歴史は番組史とかでは無くてハードや技術としての歴史で、高柳健次郎の「イ」から始まって昭和・平成の時代ごとの機能やデザインの変遷を見せ、最後にはテレビが今や様々なビジネスに拡大したことを1枚のパネルで表して終わる。「イ」を画面に表示させてみようという体験展示が、何度かチャレンジするもうまくいかなかったのは少し残念だった。

展示を見た後は30分ほど歩いて大日駅を経由して守口市立図書館へ。郷土資料展示室があるのでそれが目当てだったが、2020年にオープンしたという内部の新しさと電子パネルなどの設備にびっくりしていた。2020年までは大阪府下ながら図書館の無い自治体だったらしい。想像できない暮らしだ。大日駅は谷町線の終点なので、メトロに乗って大阪市内へ戻る。メトロ圏内とはいえ気軽に行きやすい立地では無いが、パナソニックミュージアムの展示もこれからは注目していこう。

 

 

9月に読んだ本まとめ

 

朝依しると『VTuberのエンディング、買い取ります。』
王谷晶『君の六月は凍る』
河﨑秋子『鯨の岬』
黒鍵繭『Vのガワの裏ガワ』1~2巻
高山羽根子ドライブイン・真夜中』
村雲菜月『もぬけの考察』

犬塚元、河野有理、森川輝一『政治学入門 歴史と思想から学ぶ』
オラシオ『図書館ウォーカー 旅のついでに図書館へ』
野口武悟『読書バリアフリーの世界 大活字本と電子書籍の普及と活用』
水嶋英治編『展示の美学』
宮野裕『「ロシア」は、いかにして生まれたか タタールのくびき』
村上靖彦『客観性の落とし穴』

 

 

いつもより小説が多めだが、長編小説は読まなかった。『ドライブイン・真夜中』を手に取ってみて初めて、U-NEXT発のオリジナル小説があることを知る。紙の書籍として刊行されているのは一部らしく、作家のラインナップを見ていると気になる作品もあったので、いつかU-NEXTに課金して読んでみてもいいかもしれない。

図書館に焦点を当てた旅行エッセイとして、『図書館ウォーカー』があまり注目しない施設を取り上げていて面白かった。建物だけではなく、ホテルや温泉と同じ建物だったり、海の見える図書館だったり、変わった属性を持った図書館が多く紹介されている。積極的に観光先で図書館に行こうとは思わないが、時間が空いたりするとついでに寄って地域の色を感じてみたくなった。紹介されている中で行ったことのあるのは堺市立図書館だけだった。