1月のまとめ

 気づけば年が明けていた。うろうろして読書する背景に記録の意識が付きまとい、行為の後に何か残っているかすら自信を持てなくなっている。ともあれ、これが生活の一面の記録であること自体は間違いない。今年もよろしくお願いします。

 

 

 

1月に行った展覧会まとめ

 

あべのハルカス美術館 コレクター福富太郎の眼 昭和の名実業家が愛した珠玉のコレクション
阪神梅田本店 鉱物の魅力にふれたい!「宝石商のメイド展」×「麗しき鉱物展」
阪神梅田本店 湊由妃展 -Black and White Drawing-
阪神梅田本店 ことばのアート展 -Forest of Words-(Part1)
心斎橋PARCO ART SHINSAIBASHI
大丸心斎橋店 山本雄教展「How much?」
国立文楽劇場資料展示室 文楽座の歴史Ⅰ
なんばマルイ 凪のあすから×色づく世界の明日から×白い砂のアクアトープ  コラボレーション展~海の色を巡りに~

 

 

感染拡大で出不精になったが、それ以前にあまり展覧会のリサーチをしていなかったので、そういう気分では無かったのだろう。福富太郎展が印象的。美人画を中心に、時代を感じる作品を蒐集していたコレクターの視点を感じさせられる展覧会で、福富太郎の好みを感じながら、作品から明治・大正期の空気を味わっていた。それにしても、終盤にあった萬鐵五郎の《裸婦》は、キュビズム作品で他とは毛色が違う印象を受けたが、どういう意図での蒐集だったのだろう。美術史路線と言えるかもしれないが、それでも他の展示作品からは浮いていた気がする。「あやしい絵展」に続き、女性の色々な表情や感情を捉えた作品を堪能した。

来月に開館する大阪中之島美術館の開館記念展はどうにか行きたい。感染状況があまり良くないので、それを理由に出不精が悪化して会期を逃してしまいそうだ。あべのハルカス美術館印象派展、国立国際美術館の「感覚の領域」展、奈良県立美術館の所蔵名品展などに興味があるが、果たしてどうなるやら。

 

 

1月に読んだ本まとめ

 

ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』
宇佐見りん『推し、燃ゆ』
キム・チュイ『ヴィという少女』
乗代雄介『皆のあらばしり
八目迷『夏へのトンネル、さよならの出口』 
李琴峰『生を祝う』
劉慈欣『火守』

市川裕『ユダヤ人とユダヤ教
レイチェル・カーソンセンス・オブ・ワンダー
長谷川朋子『NETFLIX 戦略と流儀』
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
水島治郎『ポピュリズムとは何か』
宮島達男『芸術論』        
藪正孝『県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実』

 

 

あまり出歩かない分だけ、気になっていた本を中心に、普段手に取らない路線の本も読んでみた。ずっと読もうとしていた『推し、燃ゆ』が面白かった。題材や展開だけでなく、それを紡いだ文体も含めて、読み終えた後にすごい物を読んだと感じさせられた。ままならない日常と、そこからさらに転落していく主人公の姿を見てもなお、ここまで打ち込み没頭できる物があることに羨ましさを一番に感じてしまった自分が悲しかった。全てを賭けられるとまで言わなくとも、没頭していると言えるほどの物、通暁していると言えるぐらいの物を何か作っていきたい。